〈テキスト加工〉無駄なスペースを削除する/マーキングする

えてして、原稿には意味のない空白スペース(タブを含む)が入っています。

邪魔です。


検索置換で、空白スペースにマーキングします。

  • 検索文字列 \s
  • 置換形式 文字スタイル 下線Y100 ※下線のマーキングは便利。いつでも消去できます。

下の黄色の箇所は、マーキングされた空白スペースです。


まず、文頭のスペースだけを選択します。

検索文字列が ^\s だと、全部選ばれません。よーく見てください。黄色は、各行にスペースがひとつだけ。

検索文字列を ^\s+ に変更すると、全部選ばれました。

文頭のスペースを削除するために、

  • 検索文字列 ^\s+
  • 置換文字列 なにも指定しない

削除されました。


次に、文末のスペースを選びます。

検索文字列が \s\r だと、各行にひとつしか選ばれません。

そこで、検索文字列を \s+\r に変更すると、すべて選ばれたようですが、実は最後の行の文末は選ばれていません。そこで、

最後の行で、改行をいれます。

文末にある全部の空白が選択されました。

選ばれたスペースを削除するため、

  • 検索文字列 \s+\r
  • 置換文字列 \r

とすると、削除されます。


文頭のスペースと文末のスペースを削除したあと、

  • 検索文字列 \s
  • 置換形式 下線Y100

とすると、

文中のスペースが、マーキングされます。

必要なものもあるので、無駄なスペースは目視で探すことになります。

校正時、あるいは納品時に、文字スタイルの下線Y100の色を消しましょう

検索置換の正規表現で、スペースを整理する。

索引を例に、無駄なスペースを整理します。

ノンブルの前の灰色のスペースは、

  1. 全角ひとつ
  2. 全角ふたつ
  3. 半角ひとつ
  4. 半角みっつ

と混在しています。

これを

1/3スペース + 右インデント + 1/3スペース に置き換えます(索引と目次で役に立つテクニックです)。

黄色のスペースは、項目内なのであえて変えません。

検索と置換の正規表現は下の通り↓

検索文字列と置換文字列の意味は、

() →検索結果1

() →検索結果2

[] →いずれか

~( →全角スペース

+ →直前の文字が1回以上

\d →数字

\r →段落の終わり

 

置換文字列の意味は、

~3 →1/3スペース

~y →右インデントタブ

$2 →検索結果2

下の結果になりました。

A →黄色のスペースはそのまま

B →右インデントタブ

C →1/3スペース

 1/3スペースを入れるのは、リーダー罫線と文字が近すぎるので↓

デザインすると負け。意味を考えて、少しだけ施すという感じ。

また、禅問答みたいなことを言います。

デザインは、デザインしたら負け。

意味を考えて、少しだけ施すという感じがいいです。

かっこよくしようとすると、かっこ悪くなります。

なにより大切なことは、

①見やすくすること

②修正しやすいように作ること。


索引で、説明します。

下は、同じ級数で同じ書体です。

ただ、文字を並べただけ。

この記事では、正規表現の意味については理解できなくていいです。


まず、項目とノンブルの間の字間を広げます。

作業時間を短縮するため、正規表現を使って一括処理します。

検索文字列と置換文字列の解説は、記事「検索置換の正規表現で、スペースを整理する。」です。


ほんの少しだけ、索引っぽくなりました。

ちょっとだけやんっ!って思うかもしれませんが、その「ちょっと」が大事です。


項目とページ数の間が広げすぎたので、リーダー罫線を入れます。

正規表現を使って、リーダー罫線の文字スタイルを一括処理します。


点線が入って、より索引っぽくなりました。


項目を探しやすいようにします。

五十音を左右中心揃えに。

必ず段落スタイルを使ってください。

少しだけ動きが出て、見やすくなりました。


さらに検索しやすくします。

五十音の書体を太くし、目立ちすぎないように級数を落とします。

このときの、目立たせたいけれど、やりすぎない謙虚な心が大切です。

アピールしすぎないこと!


次に、ページ数を読みやすくします。

このとき、段落スタイルの「正規表現スタイル」を使います。

自動で、ノンブル書体に文字スタイルがあたります。

この技を使っているデザイナーは少ないかも。調べてないけど。


ノンブル書体が、一瞬にして変化しました。

一瞬です!


ここまで進んで、初めてデザインについて考えます。

①もっとPOPっぽくしようか?

②逆に、アカデミックに地味にしようか?

③遊びを入れようか?

等々。。。

 


最後に、全体のレイアウトを考えます。

行間を増減したり、タイトルスペースを増減して、タイトルスペースを確定。

デザインに不慣れな人は、このタイトル「さくいん」からデザインをし始めて、不自然なものをつくりがちです。

ここで全体を眺めます。

ノンブルが目立ちすぎだなと思ったら、文字スタイルを修正するだけ。

どこを修正するにも、スタイルを直すだけで済みます。

簡単!

この手順で作業すれば、スペースの使い方に無理、無駄がありません。

全体の雰囲気も、クライアントの要望にあわせて、フレキシブルに変えられます。

 

質問!数字と数字の間の点【.】だけを選択したい。

質問、ありがとう!

数字と数字の間の点【.】とは、半角入力のピリオドで、下の青い点ですね?

検索と置換の正規表現は、

  • 検索文字列 → (\d+)(.)(\d+)
  • (\d+) → 一桁以上の数字
  • 置換文字列 → $1・$3

検索文字列の意味は、一桁以上の数字と一桁以上の数字の間のピリオド

置換文字列の意味は、最初の条件「一桁以上の数字」と3番目の条件「一桁以上の数字」の間に、中黒を入れなさい! です。

この検索と置換にはポイントがありまして、

置換形式を、文字スタイル:M100としたことです。

そのため、置換後の文字はM100になりました。

数字と数字の間の【.】だけ中黒になっていて、

色が着いて目立つので、校正しやすいです。

ミスが減ります!


編集者に校正をだすときは、記事「便利な技です→校正しやすくするために、文字に色を着ける→校正を出すときは、色を消すというテクニック」をどうぞ!

 

便利な技です→校正しやすくするために、文字に色を着ける→校正を出すときは、色を消すというテクニック

検索と置換を使うとき、置換形式に文字スタイル:M100を使うと便利です。

置換結果が色表示されるので、校正しやすいです。

ミスが減ります!

編集者に校正を出すときは、文字スタイルの色を変更します。

文字カラーを「黒」に変更すると、

M100が黒になります。

Wordの高度な検索と置換で、第○章の行にスタイルをあてる方法

第○章の行に、スタイルをあてる方法です。

これを覚えると便利です。

原稿はこれ↓

検索対象 → 第[0-90-9]{1,2}章

「置換後の文字列」の空欄を触ってから、「スタイル」を選びます。

「書式」にスタイル名が表示されたところで、「すべてを置換」をクリック

スタイルが適用されました。

この適用されたスタイルを、InDesignのスタイルとリンクさせることができます。

自動リンクなので、早くて間違いがありません。

〈正規表現の勉強〉数字を選ぶ

これから、InDesignの正規表現を勉強します。

Wordでは、ワイルドカードと呼ばれている機能です。

正規表現にはとても便利な魔法の呪文がたくさんあり、一括で

①語句を統一

②ルールを適用

③スタイルとデザインを施す

などの処理ができます。

WordとInDesignのリンクに欠かせない機能です。

 

最初に、紹介する呪文は、

\d (数字)

\D (数字以外)

[0-9] (半角数字)

[0-9] (全角数字)

 

例えば、下のような原稿があるとします。

この原稿から、数字だけを選びます。

検索と置換の正規表現は以下のとおり↓

赤い文字が、選ばれた数字です↓

正規表現について解説すると、

①検索文字列の \d は、数字を選びなさいという呪文です。

②置換形式の「文字スタイル:M100」は、選ばれた文字をM100にします。

文字スタイルを変えることによって、M100に色変えするのではなく、書体を変えることもできます。

結果↓

\d は、半角数字も全角数字も選びます。

下の原稿で、

検索と置換をかけると、

 

半角も全角も選択されて、色が変わりました。

ちなみに、呪文を \D とすると、

数字以外が選択されます↓

半角数字だけを選択するときは、

正規表現の呪文は、[0-9] です。

※全て、英語入力(半角)してください。

半角数字だけ選ばれました↓

逆に全角数字だけを選ぶときの呪文は、[]

※赤い字の0と9は、全角数字で入力してください。

全角数字だけが選ばれます↓

ぜんぜん意味不明でしょうが、しばらく我慢してください。

もう少し基本的なことを紹介してから、仕事に役立つテクニックに入りますから。

いまはまだ、へー、そんなことができるんだ!の感想で。