Wordの高度な検索と置換で、一桁数字は全角に、二桁以上の数字は半角に統一
編集者から、下のような目次原稿を受け取ったとします。

得てして、半角数字と全角数字がルールなく混在しています。
まず、混在具合を調べるために、「高度な検索と置換」で半角数字だけハイライト表示します。

検索対象 → [0-9] ※すべて半角で入力
青く表示された数字が、半角です↓

目次を作成するために、
- 一桁数字は全角
- 二桁数字は半角
に統一します。
〈手順1〉すべての数字を全角数字に変換します。
半角数字が青く表示された状態で、「文字種の変換」→「全角」を選択

全ての数字が全角になりました。
〈手順2〉二桁以上の数字を半角にします。

検索対象 → [0-9]{2,} ※0と9だけ、全角入力
意味 → 二桁以上の全角数字を選びなさい。
青い表示の数字が、二桁以上の全角数字です↓

青い表示の状態で、「文字種の変換」→「全角」を選択

二桁以上の数字が半角になりました。

次の記事で、不統一のアキを統一します↓

ざんへらと正規表現とワイルドカード
改めて名乗りますが、この集まりは「残業を減らそう!」の会です。
略して、「ざんへら」。
ま、それはいいとして。
ざんへらが目指すのは、「WordとInDesignのリンク」です。
WordとInDesignのリンクは、「検索と置換」を多用します。
「検索と置換」は簡単ですが、ざんべらはさらに上の「正規表現」を勉強します。
Wordでは、ワイルドカードと呼ばれるものです。

正規表現とワイルドカードはプログラムの一種で、とても役に立つ魔法の呪文を使います。
これです↓
あっという間に、本文組みが終わります(準備に時間が必要だけど)。
魔法の呪文はとっつきにくいものの、慣れればさほど難しいことはありません。
というか、ざんへらではあまり難しいことはしません。
まず、下の記事を書いてみました。
呪文を覚える必要はありません。
こんなことができるんだ、へー、って感じで、気軽に読んでください。
こんなことはできませんか?って質問してくれると理解が深まります。
注意→正規表現とワイルドカードは同じ思想ですが、残念ながら呪文が違います。
Wordの高度な検索と置換で、英語の名前と苗字の並びを変える方法
英語の名前と苗字の順番を入れ替えます。

検索と置換は、

検索対象 → <([A-Za-z]@) ([A-Za-z]@)>
置換後の文字列 → \2 \1
すべてを置換すると、

感動しました!
参考にしたサイトは→Wordで「正規表現」を使う | You Look Too Cool
Wordの高度な検索と置換で、年月日に -(ハイフン)を入れる方法
下の文章の年月日に、-(ハイフン)がありません。

数字の間に-(ハイフン)を入れます。
検索と置換は、

検索対象 → ([0-9]{4})([0-9]{2})([0-9]{2})
置換後の文字列 → \1-\2-\3
すべてを置換すると、下のようになります。

置換後の文字列を \1年\2月\3日 にすると、

下のようになります。

感動しませんか?
参考にしたサイトは→Wordで「正規表現」を使う | You Look Too Cool
〈正規表現の勉強〉行末の数字の前に「右インデント タブ」を入れる
行末の数字の前に、「右インデント」を入れます。
紹介する呪文は、
~y (右インデント タブ)
下の黄色の箇所です。

正規表現は、

検索文字列 → (\d+)\r
- (\d+) 一桁以上の数字
- \r 改行
置換文字列 → ~y$1\r
- ~y 右インデント タブ
- $1 1番目にグループ化された文字列
- \r 改行
- ~y の出し方↓

文字を選択するときは、最後の行の改行まで

結果です↓

右インデントタブを使うと、タブのうしろは右揃えになります。
この機能は、目次や索引で活躍します。
〈正規表現の勉強〉行末の数字だけを選ぶ
行末の数字だけを選びます。

正規表現は、

検索文字列 → (\d+)\r
- (\d+) 一桁以上の数字
- \r 改行
- つまり一桁以上の数字と改行が並んだ箇所を選びなさい、という意味です
置換形式 → 文字スタイルを指定します

〈正規表現の勉強〉並び順を変える(グループ化された文字列)
文字の順番を変えることができます。
紹介する呪文は、
\d+ (一桁以上の数字)
+ (直前の文字が1回以上)
$1 (1番目にグループ化された文字列)
$2 (2番目にグループ化された文字列)
下の例文は、左側が数字、右側が性別です。

左側に性別、右側を数字に変えます。

検索文字列 → (\d+)(\D)
- (\d+) の意味は、数字を選びなさい。+をつけると、一桁以上という意味
- (\D) の意味は、数字以外を選びなさい。
置換文字列 → $2$1
- $2 の意味は、検索文字列の2番目の結果を表しなさい。
- $1 の意味は、検索文字列の1番目の結果を表しなさい。
- $1、$2…..を、グループ化された文字列と呼びます。
この魔法は、便利です。よく使います。
結果、

みごとに逆になりました。
ちなみに、(\d+) の + をつけないと、変てこりんになります↓

保護中: デザイン部のコーチング
〈正規表現の勉強〉数字を選ぶ
これから、InDesignの正規表現を勉強します。
Wordでは、ワイルドカードと呼ばれている機能です。
正規表現にはとても便利な魔法の呪文がたくさんあり、一括で
①語句を統一
②ルールを適用
③スタイルとデザインを施す
などの処理ができます。
WordとInDesignのリンクに欠かせない機能です。
最初に、紹介する呪文は、
\d (数字)
\D (数字以外)
[0-9] (半角数字)
[0-9] (全角数字)
例えば、下のような原稿があるとします。

この原稿から、数字だけを選びます。
検索と置換の正規表現は以下のとおり↓

赤い文字が、選ばれた数字です↓

正規表現について解説すると、
①検索文字列の \d は、数字を選びなさいという呪文です。
②置換形式の「文字スタイル:M100」は、選ばれた文字をM100にします。
文字スタイルを変えることによって、M100に色変えするのではなく、書体を変えることもできます。

結果↓

\d は、半角数字も全角数字も選びます。
下の原稿で、

検索と置換をかけると、
半角も全角も選択されて、色が変わりました。

ちなみに、呪文を \D とすると、

数字以外が選択されます↓

半角数字だけを選択するときは、

正規表現の呪文は、[0-9] です。
※全て、英語入力(半角)してください。

半角数字だけ選ばれました↓

逆に全角数字だけを選ぶときの呪文は、[0–9]
※赤い字の0と9は、全角数字で入力してください。

全角数字だけが選ばれます↓

ぜんぜん意味不明でしょうが、しばらく我慢してください。
もう少し基本的なことを紹介してから、仕事に役立つテクニックに入りますから。
いまはまだ、へー、そんなことができるんだ!の感想で。